小林製薬のSaikiさいき(ローション・乳液・クリーム)ってどう?成分・口コミまとめ
こんにちは、コスメコンシェルジュの伊藤羊子です。
寒さが強まるのと共にお肌の乾燥やピリピリ感の悩みが深まってきている人は多いのではないでしょうか。
冬の乾燥した冷たい空気は敏感肌さんにとって、とても厳しい環境です。
かといって、温かい季節になれば乾燥は和らぐかというと、たしかに汗や皮脂は出やすくなりますが、根っからの乾燥肌さんにとってはやはり保湿ケアが不可欠です。
最近テレビのCMでよく見かける、小林製薬の「さいき治療ローションの「繰り返す乾燥肌に」「乾燥荒れ肌に」というフレーズが個人的に気になって、どんな製品なのか調べてみました。
さいきローションは医薬品ですし、スキンケアだけではカバーしきれない乾燥肌をなんとかしてくれそうですよね!
※ その後、ローションだけでなく、乳液・治療薬(クリーム)が発売されました。
乳液とクリームの成分・質感なども追記しています。
伊藤羊子もやはり先日から肌の乾燥を強く感じるようになってきました。
今のところまだカサカサしたり粉をふいたりするところまでには至っていないものの、肌が気温と環境の変化についていけていないというか、少し肌が敏感になってピリピリしはじめているような、そんな違和感があります。
というわけで、このページでは小林製薬のさいきシリーズ(ローション・乳液・クリーム)の特徴や実際に使ってみた感想、口コミなどについてまとめてみました。
さいきシリーズ(ローション・乳液・クリーム)ってどんな製品なの?
さいきシリーズは、テレビCMでもおなじみの小林製薬から発売されている乾燥肌の保水治療薬です。
Saikiローションは医薬品に分類されていて化粧品ではなく薬として扱われているので、効果効能を謳うことができます。
さいきシリーズの効能・効果は
乾皮症、小児の乾燥性皮膚、手指のあれ、手足のひび・あかぎれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、しもやけ(ただれを除く)、打ち身・ねんざ後のはれ・筋肉痛・関節痛、きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)
となっています。
さいきローションの成分はこちら
↓ ↓ ↓
さいきローション成分
<有効成分> 添加物として、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、オリブ油、スクワラン、dl-ピロリドンカルボン酸Na、安息香酸、水添大豆リン脂質、キサンタンガム、コレステロール、L-アスパラギン酸、グリシン、DL-アラニン、エデト酸Na、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、pH調節剤、その他1成分を含有する |
さいき乳液成分
<有効成分> 添加物として、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ステアリン酸ソルビタン、ステアリルアルコール、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、トリイソオクタン酸グリセリン、流動パラフィン、パルミチン酸セチル、大豆油、コレステロール、安息香酸、エデト酸Na、pH調節剤を含有する |
さいき治療薬(クリーム)成分
<有効成分> 添加物として、ワセリン、流動パラフィン、スクワラン、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルポリシロキサン、自己乳化型ステアリン酸グリセリン、セタノール、ステアリルアルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート60、1,3-ブチレングリコール、dl-ピロリドンカルボン酸Na、ジプロピレングリコール、安息香酸、エデト酸Na、カルボキシビニルポリマー、トリエタノールアミン、pH調節剤を含有する |
有効成分はヘパリン類似物質、グリチルリチン酸二カリウム、アラントインの3種類。(クリームは同じ3種+γ-オリザノールの計4種類)
それぞれ以下の働きをしています。
- ヘパリン類似物質
ラメラ構造を修復し、整えます
角質に潤いと柔軟性を与えます - グリチルリチン酸二カリウム
肌の炎症を抑えます - アラントイン
荒れたり、ひび割れた皮ふ組織の修復を助けます - ガンマ‐オリザノール(クリームのみ)
皮脂腺の働きを活性化し、皮脂分泌を高めます
皮ふ表面を保護し、皮ふのバリア機能を補います
主な有効成分がヘパリン類似物質ということは、乾燥肌さんなら1度は皮膚科で処方されたことがあるであろう「ヒルドイド(ローションまたはクリーム)」と同系統の薬といえます。
さいきが発売された当初は化粧水状のローションのみでしたが、乳液と治療薬(クリーム)が発売され、テクスチャーとしてもヒルドイドローション、ヒルドイドクリーム(ソフト軟膏)と近いものになりました。
ヒルドイドやヘパリン類似物質についてはこちらの記事でも詳しく紹介していますので、こちらも参考にしてくださいね。
また、弱ったお肌でも安心して使えるよう、無香料、無着色、弱酸性、パラベンフリー、アルコール(エタノールフリー)となっています。
ただし、有効成分であるヘパリン類似物質は100g中0.3g、グリチルリチン酸二カリウムは100g中0.5g、アラントインは100g中0.2gの配合ですから、それらを合計した1g以外はその他の成分で構成されているということです。
有効成分が症状を改善するものであっても、「その他の成分」の中に肌質に合わない成分が入っている場合も考えられますので、使用する場合はまず成分表をよく見て、それからお肌の状態をよく観察しながら使ってみてください。
また、ヘパリン類似物質の特徴として「血行をよくする」「血液を固まりにくくする」働きがありますので、皮膚を搔き壊して血が出ている状態の場合は使用を見合わせた方がいい場合もあります。
そういう場合は、より慎重に使うようにしてください。
さいきの口コミ・評判は?
さいきローション・乳液・クリームの口コミや評判はなかなか良いようです。
「粉をふくような乾燥も、これのおかげで治まってきました」
「しみないし、医薬品なので安心して使えます」
など、全体的によい口コミが目立ちます。
医薬品ですから、効果が高いこと、効果を早く実感できるところも評価が高い理由のひとつかもしれません。
ただし、医薬品でも肌に合わないことや副作用が出ることもあるので、肌の変化によく注意しながら使いましょう。
さいきローションを実際に使ってみた感想
季節柄、やっぱり乾燥が激しくなってきた私の肌でさいきローションを体験してみました。
さいきローションは顔はもちろんのこと全身に使えるので、私は顔と乾燥してだいぶカサカサしてき始めた脛(すね)にも使ってみることに。
買ったのは30g入りの小さい方です。
大きいサイズのは100g入り。
2017年、リニューアルしてパッケージがちょっと変わっていました。
ローションの成分内容や容量などは変更なしです。
1日1~数回適量を患部にすり込む(またはガーゼなどに伸ばして貼る)とのことなので、顔には朝と夜の洗顔後、すねのカサカサにはお風呂上りに使うことにしました。
ヘパリン類似物質配合の保湿剤といえば、皮膚科で処方されるヒルドイド(ジェネリックとしてビーソフテンなどあります)が代表的ですが、ヘパリン類似物質配合の市販の保湿剤も、ノバルティスファーマのHPローションをはじめいくつか出ています。
その中で、さいきローションはさらにグリチルリチン酸二カリウムとアラントインを一緒に配合しているところが他のヘパリン類似物質配合系の保湿剤とは違うところです。(ちょっと他よりお値段もお高めだった)
中身は、ほんのうっすら白くて、ややとろみのあるローションです。
伸びやすいし、伸ばした瞬間はちょっとだけペタペタするけどなじみも早いので使いやすい感じ。
ニオイは特にありません。
厳密にいうと若干の原料臭がある気がするけど、ほぼ気にならない程度です。
人によってはポウッと温かくなる感じやヒリヒリ感を感じる人もいるそうですが、私はなんともありませんでした。
5日くらい使うと、明らかにお肌の乾燥度合いが軽くなっていたので、さすが医薬品ー(*´ω`*)と思いました。
顔のほうはもともと乾燥もまだそこまで進んでいなかったこともあって、もう普段どおりのスキンケアに戻しました。
(通常のお手入れに美容オイルを足したり、パックをしたりして乾燥が悪化しないように気をつけています)
スネの粉ふきかけの乾燥も使用前と比べるとほぼよくなってきているので、様子をみながら使っていきたいと思います。
ちなみに、どれぐらいの期間使えばいいのかな?というのが気になってお客様相談室に電話してみました。
すると、
「まずは5~6日使っていただいて肌に刺激がないかや乾燥に効果がありそうかをみてください。よさそうであればそのままご利用いただいて、症状がよくなったら普段の化粧品でのお手入れに切り替えていただければ」
とのことでした。
乾燥対策として、使い続けてもいいですか?という質問に対しては
「使い続けて害があるものではありませんが、さいきローションは“医薬品”ですので“化粧品”のように日ごろのお手入れとして使っていただくものではありません。症状がおさまったら化粧品でのお手入れに切り替えてください」
とご回答いただきました。
ちなみに、小林製薬には「高保湿」に特化した通販限定の化粧品があります。
ドラッグストアなどでは売っていないので、「小林製薬が化粧品?」と思う人もいるかもしれませんが、新聞広告やテレビの通販番組などではたまに取り上げられているので知っている人も少なくないかもしれません。
小林製薬のスキンケア化粧品「ヒフミド」は、ヒト型セラミドに着目した高保湿化粧品として幅広い年代からの支持を集めているスキンケアアイテムです。
保湿スキンケアにはセラミドは欠かせませんし、製薬会社ならではの技術が詰まっているところも見逃せません。
特にこのヒフミドクリームは、ヒト型セラミドを4%も配合しています。
4%といわれてもピンとこないかもしれませんが、これはかなりの高配合です。
ヒフミドは「品質管理にも徹底的にこだわりたい」という小林製薬のポリシーから通販限定になっています。
そのためドラッグストアなどで手に取ってみることはできませんが、トライアルセットが1000円以下で購入できるので試してみる価値はアリです\\\\٩( ‘ω’ )و ////
さいき乳液&クリームの質感比較
発売当初はローションのみだったSaiki(さいき)ですが、今は乳液タイプとクリームタイプも選ぶことができます。
こちらがさいき乳液です。
25g、80gの2サイズから選ぶことができます。
とろりとしていて、まさに乳液状です。
伸ばしやすいので、手足など面積が広い部分でも使いやすいです。
ただ、出し口が大きめなのに容器からうまく出てこなくて、エイッと振ると逆にドバッと出すぎてしまったり、ちょっと出しにくいのが難点かも。
こちらはさいきクリーム。
さいきシリーズの3つの有効成分に加え、γ-オリザノールが配合されているので「EX処方」なんだそうです。
細いチューブで使いやすい。
クリームというだけあってムニュっと形を保って出てくるのですが、そんなに固くはないので意外と伸ばしやすいです。
乳液と治療薬(クリーム)の質感比較写真。
かたさの違いが伝わるでしょうか。
軽く指で伸ばしたところ。
この写真だとなんだかクリームにダマがあるようにも見えてしまいますが、ちゃんとなめらかな質感でした。
これだけコッテリ感が違うので、乳液よりもクリームの方がやはり保湿感は高いです。
ヘパリン類似物質配合の保湿剤といえばヒルドイドが有名ですけど、ヒルドイドのローションとさいき乳液のテクスチャーはよく似ています。
ヒルドイド軟膏(クリーム)とさいきクリームを比べると、さいきクリームの方がコッテリしています。
ヒルドイドはソフト軟膏ですし、クリームと乳液の間くらいのテクスチャーだった記憶です。
)
ローション、乳液、クリームと種類が増えたので、化粧品みたいにセットで使うものなのかな?と思ったのですが、ドラッグストアの薬剤師さんによると、重ねて使う必要はなく使い心地や肌の状態に合わせて使い分けてください、とのことです。
ヒルドイド(ヘパリン類似物質配合のローションやクリーム)を化粧品代わりに使うことについての私的意見
ヒルドイドを含め、ヘパリン類似物質配合のローションやクリームで劇的に肌の調子が良くなったという口コミを見かけることは少なくありません。
ネット上では、ヒルドイドやHPローションなどを「高級化粧品よりすごい美容液レベル」「毛穴が消えた」などと賞賛する評判も見かけます。
ただ、これはあくまでも私見ですが、ヘパリン類似物質配合のローションやクリームを使って肌の調子がものすごくよくなったり毛穴が小さくなったと感じる人は、それまでのスキンケアが肌にあっていなかった、または逆に肌をいじめるスキンケアをしていたのではないかと考えています。
ヘパリン類似物質配合のローションやクリームを使って、肌が回復することは悪いことではありません。
むしろ喜ばしいことです。
ただし、これを使うことで肌が劇的に改善するということは、それまで「洗いすぎ」「与えすぎ」「合わない成分が入ったものを長期的に使っていた」など、当たり前にしてきたスキンケアそのものが間違っていた可能性があります。
そこへ、ヘパリン類似物質配合のローションやクリームでのお手入れに切り替えたことで「シンプルなケア」になり「有効成分が肌の回復を手伝う」ことになり、結果的に「劇的に肌の調子が変わった!」と感じるのではないでしょうか。
小林製薬のコールセンターのお姉さんの言葉にもありましたが、そもそも、医薬品と化粧品の役割は別のものです。
医薬品は(化粧品だけに関わらず)不調を改善するためのもの、化粧品は肌を健やかに保つためのものと定義されているからです。
医薬品は、あくまでも症状が悪化しているときに短期的に使用したいもの。
カゼをひきやすいからといって、カゼをひく前から風邪薬を常用する人はいませんよね?
普段は食生活に気をつけたり、ビタミンのサプリメントを利用したりして健康に気をつけるのではないでしょうか。
それと同じで、医薬品であるヘパリン類似物質配合のローション・クリームを化粧品代わりに常用することは個人的にはおすすめしません。
小林製薬のさいきシリーズも、「治療ローション」「治療乳液」「治療薬」とそれぞれ「治療用のものである」と強調しているとおり、ふだんのスキンケア用ではなく皮膚のトラブルを治療するときに使うものと考えたほうがよいと思います。
(ヘパリン類似物質自体は長期的に使用して副作用が出やすい物質ではありませんし、医師の指導のもと乾皮症やアトピーの治療として長期間使うことは問題ないです)
ヘパリン類似物質配合の医薬品保湿剤で肌が回復したら、もう一度これまでのスキンケアの仕方や使っていたアイテムを見直してみることをおすすめします。
そうすることが、「本来の肌の健康」を守ることに繋がるからです。
また、美容目的でヒルドイド(をはじめとしたヘパリン類似物質配合の保湿剤)を処方してもらうことは、健康保険の負担増加につながることが問題になって注目されています。
病院で処方されるのは皮膚疾患の対策のためであって、美容のために「効果が高いから」「安く買えるから」利用することは正しいとはいえません。
ヘパリン類似物質配合の保湿剤は、あくまでも肌が激しく乾燥したりピリピリしたりといった異常事態をケアするものとして、上手に付き合っていきましょう!